会社でパワハラを受けていて退職したい。
パワハラが原因で退職を考えている方も多いのではないでしょうか。
嫌な職場環境で無理して働くことで、鬱など精神的なダメージを負ってしまう恐れもあります。
そのため、新しい職場環境を求めて退職するのも有効な方法です。
しかし勢いに任せて退職してしまうと、転職先が見つからないなど困ってしまうケースがあります。
そこで、この記事では「パワハラで退職前に知っておくべきこと」について詳しく解説します。
- 絶対にやってはいけない退職理由
- 退職する前にやっておくべきこと
パワハラが原因で退職を考えている方は、ぜひ最後までご覧になってください。
目次
パワハラが原因で退職することはできる
- 退職すると転職で不利になるのではないか
- 周りに迷惑がかかるのではないか
- パワハラのこと会社に相談すると嫌がらせされるのではないか
このような理由で退職を悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
パワハラで退職することは可能です。
パワハラが原因で退職する場合、基本的には「会社都合退職」となります。
「会社都合退職」とは、会社側の責任によって退職させられた扱いです。
会社都合の場合、次の就職で不利になるのでは?と心配だと思います。
あなたに非がなければ、不利な評価をされることはありません。
ただ何も準備せず退職するのは危険です。
衝動的にならず、しっかりと準備してから退職することが大切になります。
絶対にやってはいけない退職理由
パワハラが原因で退職することは可能ですが、焦って退職するのは避けてください。
「何がなんでも退職したい」と気持ちだけが先走ってしまうと、退職したあとに生活費に困るなど辛い思いをする可能性があります。
感情的にならず、一度立ち止まって考えることも大切です。
- 「なんとかなる」で退職してはいけない
- 衝動的に退職してはいけない
- 早くやめたいで退職してはいけない
こちらでは避けるべき退職について詳しく説明します。
退職理由①:「なんとかなる」で退職してはいけない
「なんとかなる」という気持ちは大切ですが、退職も人生設計の1つです。
退職後の計画 をしっかり考えたうえで行動しましょう。
退職後、転職するまで収入が減ります。
仕事しているときと同じようにお金を使ってしまうと、貯金を切り崩しながら生活する必要があります。
また、転職先がすぐ見つかるとは限りません。
職種によっては需要が低く、転職先を見つけることが難しい場合があります。
新しい分野に挑戦する場合、資格勉強など転職まで時間がかかってしまうかもしれません。
貯金額、生活費を整理し、退職後の生活に問題はないか確認しておきましょう。
収入が減るため生活費など備えは大丈夫か事前に確認が必要。
退職理由②:衝動的に退職してはいけない
衝動的に退職するのは避けたほうがいいでしょう。
パワハラは職場からでしょうか。
それとも特定の人がパワハラをしているのでしょうか。
特定の人が原因の場合、退職だけが解決方法ではありません。
会社に相談すれば「配置換え」など対処してくれる可能性があります。
退職したあとに「辞めなければよかった」と後悔するケースも少なくありません。
パワハラするほうが悪いです。
あなたが仕事を諦め転職することが正しいのか?
会社に相談して仕事を続ける方法がないのか?
一時的な感情で判断するのではなく、冷静になって考えることが大切です。
仕事の内容が好きな場合、会社にパワハラを受けていることを相談すれば解決する可能もある。
退職理由③:早く辞めたいで退職してはいけない
退職の目的は 仕事環境を改善すること です。
早く辞めたいと退職が目的にならないよう注意しましょう。
「早く辞めたい」気持ちから焦って退職すると、転職先が全く見つからないなど生活に困ってしまう場合もあります。
また焦って転職先を見つけても、冷静な判断ができません。
しっかりと吟味せず再就職し、再就職先の職場環境も良くなかったということも考えられます。
退職も再就職も大切な人生設計の一部です。
焦らず考えて行動しましょう。
あなたに合った転職先をしっかりと探す必要がある。
パワハラで退職するならやっておきたい3つのこと
パワハラが嫌だからと退職を急いでしまうと、パワハラと認定されない場合もあります。
パワハラと認定されないと「自己都合退職」となり、失業保険の支給まで時間がかかるなど、退職後の生活に困る恐れがあります。
そのため退職する前に以下のことをやっておくといいでしょう。
- 専門機関に相談
- パワハラの証拠集め
- 就業規則の確認
どれも重要なことなので、それぞれ詳しく説明します。
やっておくべきこと①:専門機関に相談する
パワハラを受けていると感じたら、相談窓口に連絡しましょう。
会社が専用の窓口を設定している場合もあります。
会社に相談しにくい場合は、厚生労働省や全国労働組合総連合などにもパワハラの相談窓口があります。
- 厚生労働省:総合労働相談コーナー
- 全国労働組合総連合:労働相談ホットライン
- 退職代行業者:退職代行OITOMA
総合労働相談コーナーでは、パワハラ以外の労働問題についても相談できます。
労働基準法違反の疑いがある場合は、行政指導ができる担当部署に取り次ぎ対応してくれます。
労働相談センターでは、「パワハラを認めさせる方法」「法的処置」について教えてくれます。
「会社に言っても無駄」「誰も相談できる人がいない」と悩んでいる方は、会社以外の専門窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
誰かに話しを聞いてもらうことで、気持ちが少し楽になる場合もあります。
やっておくべきこと②:パワハラの証拠を集める
パワハラの証拠集めも重要となります。
- 写真や動画
- メール
- SNS
- 会社の人の証言
- 普段のメモや業務日誌
- 診断書
パワハラと言ってもいろいろあり、身体的苦痛、精神的苦痛などさまざまです。
1つだけでは証拠不十分になる可能性もあるため、複数の証拠を集めておきましょう。
仕事なので部下に対する指導は必要となります。
しかし行き過ぎた指導はパワハラになる可能性があります。
そのため指導なのかパワハラなのか判断できる証拠が必要です。
証拠を集めるうえで重要なポイントは以下のとおりです。
- 回数、時間、場所
- 他の社員に対する態度との違い
- 業務上の指導としての必要性
指導の回数が必要以上であったり、他の社員がいる前かどうか。
他の社員には優しく、あなたにだけ当たりが強いのか。
業務とは関係のないところで行われたのかどうか。
これらはパワハラかどうか判断する上に重要なポイントになります。
証拠を集めるさいはデータだけでなく、データの信憑性も意識するようにしましょう。
やっておくべきこと③:就業規則をチェック
2020年6月にパワハラ防止法が施行されました。
それに伴い、企業側も就業規則化するなどパワハラに対する対策が進められています。
しかし、就業規則化しなくても違法にはならないため、あなたが勤めている会社は就業規則化しているか確認しましょう。
就業規則に違反するような行為が見受けられたら、総務など連絡窓口に相談しましょう。
その場合も証拠が重要となります。
会社側はパワハラの事実を認めたくないでしょう。
認めてしまうと会社の評判が悪くなってしまいます。
そのため証拠を集め、パワハラの事実があったことを認めさせる必要があります。
パワハラに関する知っておいたほうがいい事例
パワハラは他人を傷つける行為です。
また鬱などで、普通の生活が送れなくなる場合もあります。
パワハラは被害者の人生を狂わせてしまいます。
しかし被害者がパワハラだと感じても、それがパワハラだと認定されない場合もあります。
もう少し詳しく説明します。
訴えたからと言って必ずしもパワハラと認定されるわけではない
パワハラを訴えたからと言って必ず認定されるわけではありません。
暴力の事実があれば一目瞭然パワハラですが、言葉などの精神的なパワハラは判断が難しくなります。
言葉や文章でひどいことを言われたとしても、業務上の指導や注意と判断され、パワハラと認定されないケースがあります。
どこまでが指導で、どこからがパワハラなのか。
明確な判断基準がないため、会社側もパワハラの事実があったと簡単には認めてくれません。
また証拠が足りず認定されないケースも多いです。
社内でパワハラを知っている人がいても、証言すると会社から不利な処分を受ける恐れがあり、証言を避ける人もいます。
実際の声を録音できれば有効な証拠になるでしょう。
しかし常に録音できる状態ではなく、チャンスを逃してしまう可能性もあります。
根気よく証拠を集め、会社にパワハラの事実を認めてもらう必要があります。
大人の対応をすることが大切
パワハラを受けたからと感情的になってはいけません。
まず冷静になり、あなたが取るべき行動を正しく判断してください。
こちらも感情的になってしまうと、
- 状況の悪化
- 会社にいづらくなる
- 不利な処分をされる可能性がある
感情的になっていいことは1つもありません。
冷静になってから毅然(きぜん)とした態度で対応しましょう。
パワハラで退職する前に知ってほしい5つのこと
こちらでは退職する前に知っておいてほしいことを紹介します。
学生のアルバイトとことなり簡単に辞めることができません。
また一度退職すると、再就職するのも一苦労です。
本当に退職すべきなのか。退職の手続きに必要な書類は何か。事前に確認しておく必要があります。
- 休職も検討する
- 失業保険について理解する
- 退職に必要な手続きを確認する
- 会社都合退職か確認する
- 退職代行も検討する
それぞれ詳しく説明します。
休職も検討する
医師から「仕事をすることが困難」と診断されると、休職中も給与の3分の2が支給されます。
仮に会社がパワハラを認識しても、すぐに配置転換はできない可能性があります。
加害者が近くにいる状況では出勤するのが辛いと感じるでしょう。
その場合、人事異動で配置転換されるまで休職してもいいかもしれません。
パワハラした人だけが原因で退職するのは勿体ない。
退職を躊躇(ちゅうちょ)する気持ちがある場合、休職して今後どうすべきか考えるのもいいのではないでしょうか。
失業保険を理解する
パワハラで退職し、転職先が決まるまで失業保険を受給することが可能です。
しかし、失業保険を受け取れるからと安易に考えず、失業保険についてしっかりと理解しましょう。
「自己都合退職」「会社都合退職」の違いで、失業保険の給付開始日、期間が異なります。
「会社都合」のほうが失業保険を早く多く受け取れます。
パワハラの場合は「会社都合」が一般的ですが、「自己都合」を強要してくる場合もあります。
早く退職したいからと「自己都合」を認めてしまうと、退職後の生活に困ってしまう可能性があります。
「受給額」「受給日数」「必要な書類」など事前に確認しておきましょう。
退職手順を理解する
会社を辞める際は手続きが必要となります。
- 社内の必要な手続き(書類提出)
- 会社支給品の返却
- 保険や年金など公的な手続き
退職手続きをスムーズに行うためには、事前の計画が重要です。
スケジュールを立てたり、チェックリストを作成したり漏れなく対応しましょう。
会社都合退職かを確認する
退職には「自己都合」と「会社都合」があります。
「会社都合」の方が、失業保険の受給開始が早く、受給期間も長くなります。
パワハラが原因で退職する場合は基本的に「会社都合」ですが、確認が必要です。
「自己都合」を強要する悪質なケースもあるので、自分は「会社都合」での退職になっていることを確認しておきましょう。
退職代行も検討する
通常、退職手続きは会社に出勤して行う必要があります。
パワハラをした上司に会う可能性もあり、会社に行きづらいと感じるでしょう。
退職代行サービスは、あなたに代わって退職の意志を会社に伝えることができ、嫌な上司に会うことなく退社することが可能です。
自分で退職の意志を伝えるのは気まずいと感じてる方は、退職代行サービスに一度相談してみてはいかがでしょうか
パワハラで退職したい人まとめ
この記事では、パワハラで退職を検討している方が知っておくべきことを紹介しました。
- パワハラで退職することは可能
- 一人で悩まず専用窓口に相談
- パワハラだと感じたら証拠を集める
- 会社の就業規則にパワハラについて記載があるか確認
何も知識がなく退職してしまうと後で困ってしまう恐れがあります。
正しい知識を身につけ冷静な対応をしましょう。